【デマ?】ヒアリの天敵は日本のアリ!!戦ってくれるから殺虫剤をまかないで!とSNSで拡散
殺人アリとも呼ばれる「ヒアリ」が各地で発見され大きな話題になっています。このブログでも先日取り上げました。
【殺人アリ】ヒアリの恐怖!!毒も強いが繁殖力も強い!刺されたらどうする?
この「ヒアリ」について、SNSなどネット上では「ヒアリの天敵は日本のアリで、ヒアリと戦って倒してくれるのでむやみに殺虫剤をまいてアリを殺さないでください」という内容の情報が流れています。
これは本当なのでしょうか?
外来種のアリ「ヒアリ」が各地で発見され、人的な被害や生態系への影響が懸念されています。ヒアリの危険性が続々と報じられる中、ネット上では「在来種はヒアリと戦ってくれるので、むやみに殺虫剤をまくべきではない」とのウワサも流れています。
ヒアリはどのくらい危険な生物なのか、一般家庭ではどのような対策を講じるべきなのか、また在来種は本当にヒアリと戦ってくれるのか。環境省に問い合わせたところ、アリの生態に関しては専門家でないためコメントできないとのこと。そこで、アリの生態系に詳しい日本蟻類研究会所属の准教授に取材しました。
准教授はヒアリにかまれた時の危険性について「警戒はするべきですが、アナフィラキシーショックさえ起こさなければ、命を落とす危険性は少ない」とコメント。しかし、アリ塚を踏んでしまうとそれをきっかけに襲ってくるケースがあるほか、子どもが誤ってさわってしまい襲われることもあり、その攻撃性の高さから油断は禁物としています。また、かまれた時の痛みは強烈で「子どもであれば泣き叫んでしまうほど」だとか。
人的被害に注目しがちですが、それ以外にも従来の日本の生態系を破壊してしまう危険性も。また、家畜への被害や植物の根にかみつくことによる植物への影響も懸念されているそうです。
ネット上で言われる「日本の在来種がヒアリと戦ってくれる」という話については「ヒアリは非常に強いため、勝負にならない。戦ってもほぼ在来種が負けてしまうだろう」とコメント。かつて、アメリカにヒアリが侵入した時にもアメリカの在来種はヒアリに追いやられてしまったそうです。
今後ヒアリが日本に定着する可能性については、「なんとも言えないが、気がつくと増えていたということはあり得る。女王アリが次々見つかるようなことがあれば、その可能性はある」としました。
ヒアリの対策について、殺虫剤をまくことはある程度有効ですが、それも抜本的な問題解決につながらないとのこと。現状、ヒアリの「弱点は無い」(准教授)そうです。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170710-00000093-it_nlab-sci
この記事によれば、日本のアリがヒアリを倒してくれるというのは誤った情報ということになりますね。
ヒアリの天敵はいないとのことですが、「ゾンビバエ」が天敵であるという情報があるようです。これが本当だとしても「ゾンビバエ」は日本にはいないので日本国内ではやはりヒアリの天敵はいないということになりますね。
ヒアリに殺虫剤が効くのかという問い合わせが殺虫剤メーカー「フマキラー」に殺到しているそうです。通常のアリ用殺虫剤でも効果が期待できるそうで、注文が相次いでいるそうです。
ヒアリに効果がある殺虫剤は以下のようなものです。スーパーやホームセンターでも売っていますね。
ヒアリに効く強力な殺虫剤もあります。
(7月14日追記)この件に関してコメント欄よりご指摘いただきましたので新たなニュースと合わせて追記します。
琉球大学農学部教授の辻和希さんによるコメントです。
蟻塚を見つけたら公的機関に通報して、自分で駆除しようとしない方がいいと思います。例えば殺虫スプレーで歩きまわっている働き蟻を殺しても巣の中には、たくさんのアリと女王がいますから、全く駆除にならないんです。
インターネットでは在来種のアリが撃退するんじゃないかという意見が出ているそうですが、その通り ある程度はヒアリの侵入を抑える可能性があります。ヒアリは巣を作るとすごく強いんですが、最初に巣を作る「羽アリ」という羽が生えて飛んできた女王アリは弱いんですよね。その状態では、在来のアリがいると撃退される可能性があります。
注意していただきたいのは、ヒアリだか分かんないけど怖いからアリをとにかく殺せって殺虫剤を撒いたりするのは、おそらく逆効果です。それをやってしまうと、戦ってくれる在来のアリがいなくなって、ヒアリが定着しちゃう可能性があります。引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170713-00010001-houdouk-soci&p=2
そして、7月13日のニュースでは、
強い毒を持つヒアリへの対策として、国は今週、毒入りのエサを設置することを決めたが、ほかのアリまで死滅し生態系を乱す可能性があるとして、対策の変更を検討していることがわかった。
環境省や国交省などは11日、ヒアリの水際対策として、わなに加え、毒入りのエサを全国68の港に設置することを決めた。しかしその後、専門家から「ヒアリではない在来種のアリも死滅し逆効果」などとする意見が、環境省に寄せられたという。
国立環境研究所・五箇公一室長「日本の生態系そのものを弱くしてしまって、かえってヒアリを入りやすくしてしまう」
このため、環境省は対策の変更を検討していて、わなの設置を中心とし、ヒアリが確認された港でのみ毒入りのエサも併用することを視野に関係省庁と調整しているという。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170713-00000083-nnn-soci
ということで、まとめるとヒアリは在来種(日本のアリ)より強いが、ヒアリが巣をつくる前の女王アリ(羽アリ)は弱いので在来種でも撃退できる可能性があり、むやみに殺虫剤をまくと在来種のアリまで死んでしまい逆効果(ヒアリが定着するのを助けることになってしまう)ということですね。
以下、ネットの反応
幼児はアリやダンゴムシが大好き。
見れば捕まえようとする、大人はヒアリという存在を知れば、すべてのアリを警戒するだろう、しかし幼児は違う、とりあえず触りに行ってしまうし、無防備な状態で草むらを漁る事もある。
そうして幼児期に一回刺された子が、大きくなってからまた刺された場合、アナフィラキシーショックを起こす可能性がある。
もうヒアリは定着するものとして、幼児がアリをやたらめったら触らないように、絵本や保育園で地道に教育していかないとダメだと思う。
どうなった?
出ないのにマスコミが
騒いでいる事に期待する。
あまちゃん。
狂気と殺意をまとって殺虫剤をぶっかけまくって毒エサをまき散らす。
ゴキブリにしてきたことと同じことをする。
それだけでいい。
ヒアリが脅威であるなら最悪の状況を考えて対策を打つのが安全保障の常識だ。
仮に在来種が撃退してくれたのなら騒ぎ過ぎで済む話だが、勝負にならず、対策が手遅れになったら取り返しがつかない。
危機のときは楽観論は禁物、手遅れになるより騒ぎすぎなくらいの対策をするべきだ。
上の記事で取り上げているのは伝言ゲームの結果を専門家に効くという、アホな記者が作り出したデマですよ。
元々のお話は以下(一番下の論文の引用)。
http://www.hitohaku.jp/exhibition/planning/solenopsis2.html
在来アリがいれば、ヒアリの定着率は低くなるという実験結果を受けて、在来アリを無闇に駆除しないように注意してってお話です。
上のいい加減なYahooの記事を否定する正しい内容はこちらのお話。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170713-00010001-houdouk-soci
デマ拡散したいなら、このままにしとけばいいでしょうけど。
ご指摘ありがとうございます。
記事本文に追記しました。