「無痛分娩は危険」というのは誤ったイメージ!?
お産の痛みをやわらげる「無痛分娩」の事故についてのニュースを最近よく聞くような気がします。
このようなニュースをみると「無痛分娩は危険」という印象を持ってしまうかもしれません。
当ブログでも無痛分娩について取り上げたことがあります。(『無痛分娩で13人死亡』のニュースに「不安をあおっている!」と批判の声)
今回、出産時に赤ちゃんが重い脳性まひになった事故について朝日新聞が過去8年間のデータを調べたところ、無痛分娩と普通の分娩での事故の割合はほとんど変わらないことが分かりました。
また、無痛分娩で事故が起きているのは医療体制がしっかりと整っていない診療所で起きていました。医師が少なく、麻酔科医はいなかったそうです。
無痛分娩が危険なのではなく、医療体制が整っていない環境での無痛分娩が危険ということのようですね。
お産の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」での事故は、医師が少なく、「一般的な医療水準より低い」とされた医療機関で起きている実態が明らかになってきた。出産時に赤ちゃんが重い脳性まひになった事故のうち、無痛分娩の麻酔が原因の可能性があるとされた事例が8年間に5件あった。無痛分娩の大半は安全に実施されているが、専門家は体制が整った施設を選ぶべきだと指摘する。
お産の事故で赤ちゃんが重い脳性まひになった場合に補償金を支払う「産科医療補償制度」の原因分析報告書(要約版)のうち、公表されている8年間の1443件(7月11日現在)を朝日新聞が調べた。
お産全体に占める無痛分娩の割合と事故のうち無痛分娩だった割合はさほど変わらず、無痛分娩で事故が増えた傾向はみられない。
無痛分娩をした記載があるのは40件。うち脳性まひになった原因として、無痛分娩のための麻酔で呼吸などが出来なくなる「全脊椎(せきつい)麻酔」になったり母体が低血圧になったりした可能性を挙げたのは5件あった。いずれも診療所で産科医1人か2人、麻酔科医はいなかった。麻酔薬の投与や麻酔時の母子の状態の確認方法、陣痛促進剤(子宮収縮薬)の使い方などで「基準から逸脱」「一般的でない」などと「医療水準が一般より低い」とされた。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170711-00000094-asahi-soci
無痛分娩についてはこちらの本が分かりやすいです。
すべてがわかる妊娠と出産の本 | ||||
|
以下、ネットの反応
無痛分娩がやっとこさメジャーになった今、なんで?って感じだし。
なにか裏で黒いやりとりでもありそう。
設備や技術が不十分な環境で行えば、無痛分娩に限らずいかなる医療行為でも事故が起きるのは当たり前。
一定の基準を満たした病院では事故が起きていないので、無痛分娩を行える基準を決める必要がありそうですね。
一気にいれたらショックをおこしたりするって説明うけた。この場合は医師が麻酔後にどういう行動したのかも書いてほしい
いれて、何にも確認せずに放置したのか分からない
それを失敗しているようじゃ、もう経腟分娩以外扱っちゃダメな医院だね。
自然分娩での事故(脳性まひ)の方が圧倒的に多いんじゃないでしょうか。。。
日本の、自然分娩じゃないと愛情が云々いう感じが凄い嫌です。。
やってるのは個人病院ばかりでした。
安全面で総合病院内で探したかったので無痛を諦めましたが…
産科医の人数もよく少ないと問題になっているし、
自分が妊娠してから、日本の出産・子育て関連の弱さを実感します。
少子化は私自身が子供のころからずっと言われてるのに、
いつ対策されるのか疑問です。
無痛分娩の本態は硬膜外麻酔。無痛分娩でなくても一定の割合で産科事故は起き得るし、それは記事にもある。では硬膜外麻酔による不具合をいかに防ぐか減らすか、それが問題。
硬膜外麻酔にはカテーテルを使いますが、カテーテルを正しく留置しても薬液の注入量や速度に細心の注意が必要です。一方、カテーテルが硬膜外のスペースではなく、より深い脊髄腔に入ってしまった場合、少量の薬液でも呼吸や循環に直ちに影響を及ぼす可能性があります。リカバリーはできますが、いわゆる全身麻酔による管理に直ちに移行する必要があります。その判断、対処が産科医にできますか?という話になってくるんだと思いますね。できる産科医も当然多いと思いますが、及ばなかったケースで不幸な結末があったのでしょう。
無痛分娩をする、だけではなく、麻酔科医が硬膜外麻酔を行う産院が生き残るでしょうね。
麻酔科医が行うことを義務付ければ、リスクは大きく減ると思う。
で、出来もしないのにやろうとするからこう言う悲しい事故が起きてしまう。出産そのものは命がけだけで100%の安全はないけど、出来ない事を実験的にやる事自体がほぼ犯罪行為だろうし、失敗した後にものうのうと産婦人科医を続けてる事が大問題。妊婦さんも今後無痛分娩を希望するのならもしもの時にすぐに対応出来る体制が整った病院でやるべきですね。
無痛分娩が危ないとか悪い訳ではないと思っています。
お産って自然分娩でも無痛分娩でも母体や赤ちゃんにとって過酷なもので、それだけ大変って事は変わりありません。
体制が整っている病院を選ぶ、無痛分娩での症例数が多い所を選ぶは基本中の基本だと思います。
産んだ病院は、普通に無痛をしていて医師からも丁寧な説明があり、その説明会も夫婦で参加を基本としていました。メリットデメリットも隠さず説明してもらえ安心してお産できました。無痛と言っても最初の陣痛はあります。ただ、陣痛が始まった時に麻酔をするので陣痛やお産の痛みは全くありませんでした。陣痛促進剤を投与するので日程も決められますし、お産を夫婦で分娩室に入れましたので更に安心できたと思います。
自然にしろ無痛にしろ良い病院選びは絶対必要です。
無痛分娩が悪い訳ではありません。
ここまでの危険性は説明されてないわ。
原因究明とかは大事だけど
記事の書き方には注意して欲しいよね。
なんとなく「無痛分娩は危ない!」って読めてしまう事が多い。
無痛分娩の分母や無痛分娩ではない場合の事故率とかがあれば
出産のリスクの一面でしかないとかわかるわけで。
例えば帝王切開でアトピーの可能性も否定ばかりではなく論議ができる環境を作り専門家が原因と改善策と
対応策をはっきりと言える環境作りが必要
記事本文中に、「無痛分娩の大半は安全に実施されているが」としながらも、タイトルに「産科医療補償制度」の原因分析報告書(要約版)の1443件(7月11日現在公開分)の内容を朝日新聞が調べた結果であることを関連付けるべき
日本で無痛分娩が実施される前の脳性まひ発生件数、人数とともに比較しなければならないと思う
原因は麻酔医が麻酔を行わないからが大半。
麻酔医が絶対という訳ではないけど。
産科医が麻酔を行うのとは違うでしょうね。
硬膜に穿破したことを気づかないなど明らかに麻酔のミスが多いです。
通常硬膜外麻酔はマーカインを使用することが多いですが穿破した状態で麻酔をすると脊椎麻酔になってしまいます。
当然ですが脳幹にも麻酔が。その状態は呼吸ができなくなります。
だから低酸素脳症になり、状態は全脊麻。
早く気管内挿管して対応するば助かりますが呼吸停止に気が付かない医師は多いです。
また呼吸停止後にあわてて人工呼吸してもそれらの用意がないならその時間も原因の一つです。
陣痛室にあらかじめ用意をするだけなのになぜやっていないのか?
残された家族の気持ちを考えてほしい。
マスコミはn=1で感情的に報道するが、統計学的にみたら、やっぱり日本の周産期医療は優秀なんじゃないかなーと思う。
痛みや苦しみに耐え困難を乗り越えることは凄い事ですが、
「耐えて乗り越え目的を達成する事、そのために頑張る事」ではなく
「耐える事」自体に美意識や目的意識を覚えてしまい、
自分や他人に必要のない我慢や意味のない忍耐、悪条件を強いて
「あれだけやったんだから…」という考え方になってしまうことがあるそうです
自然分娩がラクな人がいれば地獄の人もいる。個人差がある
帝王切開でも麻酔を使い、こちらでも同じ事故が起こる可能性はあるけれど、帝王切開の方が医師の意識が高く、適切な処置がとられているみたいだし。
安易に無痛分娩を選択するのではなく、よく調べて無痛分娩を選択するべき、ということで「無痛分娩」の注意を促すのはおかしくない。
無痛分娩にかかる人手をどう確保するのか、個人病院での無痛分娩をどう考えていくか、厚労省や日本産婦人科学会がしないといけないことがたくさんあると思う。
無痛分娩のうち脳性麻痺だった割合と
無痛分娩じゃないうち脳性麻痺だった割合
の比較の方がわかりやすいんじゃない?
一人医長の産科の危険性は、以前から言われていた。内容は違えど、福島の大野病院の件も然り(無罪)。理想は分娩を集約化することだけれど、リスク選別や救急時の搬送体制などの整備で安全を担保している診療所も多い。
多様な施設をどう選ぶか、選ぶ側の患者に目利きの力が問われる。